ぷんにゃご様からいただいたシュエラのイラストですw




目次  「新妻談義 その後」>>

 

 マチルダが、シュエラの斜め後ろで歓声を上げた。
「上手く巻いたわ! 大成功!」
 マチルダの反対側から、カレンが鏡台に映るシュエラの顔をのぞき込む。
「お化粧はどういたしましょう? 昼間ですから濃い目でもよろしいでしょうか? 頬紅と口紅を濃くいたしましたら、衣裳に映えますわ」
 見えないところから、フィーナとカチュアの声がする。
「リボンは何色がいいかしら?」
「もちろん黄色!」
 侍女たちのはしゃぎぶりに困惑しながら、シュエラはカレンとマチルダを鏡越しに見た。
「今日は一体どうしたの?」
 最近は貴族たちとの面会があって着飾ることが多くなったけど、今日の気合の入れようはちょっと異様なくらいだ。
 特別気を遣わなくちゃならない方との面会もなかったわよね?

 それに今からお茶の時間だ。

 不思議がるシュエラに、カレンとマチルダは不思議そうに顔を見合わせた。
「だって、久しぶりじゃありませんか」
「お茶の時間に国王陛下がいらっしゃるのは」
 その時、扉が開いて応接室からセシールが顔をのぞかせた。
「もうそろそろ、国王陛下がお越しになられるお時間です」
「はぁ〜い」
 シュエラの代わりに、侍女たちが声をそろえて返事をする。
 片付けがまだ残っているカレンとマチルダを残して、シュエラはカチュアとフィーナと一緒に更衣室から応接室へと移動した。
「シュエラ様、ちょっとお待ちください」
 椅子に座ろうとしたところを、カチュアに止められる。
「どうぞ」
 渡されたのは扇。
「それをこうしてください」
「こう?」


 カチュアのしたしぐさを真似て、シュエラは扇の端を口元に当てる。それを少し離れて見て、カチュアは満足そうにうなずいた。
「完璧です」
「……何をやってるんだ?」
 割って入ってきた声に、シュエラたちは飛び上がりそうになる。
 廊下を歩いてくる物音も、扉が開く音にも気付かなかった。
 シグルドは出迎えの準備が整っていないような様子を不思議そうに眺める。
 カチュアは取り繕うように叫ぶ。
「いらっしゃいませ、国王陛下! 今日はシュエラ様に着飾っていただいたんですよ! どうですか?」
 カチュアに背後に回られ、シュエラはシグルドの方に押し出される。
 シュエラは慌て、カチュアに文句を言おうとしたが、その前にシグルドの顔を見て、文句が出てこなくなった。
 シグルドの頬が、ほんのり染まっている。
「え……? あ──」
 シュエラもつられて赤くなった。
 シグルドもついさっきまで誰かと会っていたのだろう。普段の簡素な衣服ではなく、金糸の縁取りのついた上着にマントも身に着けている。
 最近はお互い忙しく、寝室でしか会えない日が続いていたからか、着飾った姿がまぶしくて仕方ない。

 カレンとマチルダが更衣室から出てきて、見つめ合うシュエラとシグルドに気付いてほほえましそうな表情を浮かべた。
「さ、あたしたちはお邪魔でしょうから、退散しましょ」
 カチュアがみんなを部屋の外へ追い立てる。

 扉がぱたんと音を立てて閉まった時、シグルドはようやく口を開いた。
「き、綺麗だ……」

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