谷町クダリ様から頂いたカチュア&フィーナですw




<<「新妻談義 その後」  目次  「憧憬」>>
 

「ね、そういえばお婿さん探しはどうなったの?」
 ケヴィンに二人のお婿さんの世話を頼んだことを何気に思い出して、シュエラはカチュアとフィーナに尋ねる。確かケヴィンは、花嫁を探している若い貴族に声をかけて、二人とのお茶会をセッティングしてくれたはずだ。その席に一度、セシールも連れて行ってもらっている。
 すると二人は微妙な顔をした。
 何かあったのかしら?
 小首をかしげると、カチュアは顔をひきつらせてしどろもどろ言う。
「あー……ええと。まあいろんな人と知り合いになれました」
 シュエラは何となくわかってしまう。
 やっぱり上手くいかなかったんだわ。
 侍女として城に上がっているとはいえ、カチュアたちは庶民の出だ。階級意識の強い貴族たちは、それだけで彼女たちを軽んじる。下級貴族であれば庶民と結婚することもあるが、大抵は金目当てだと聞いている。
 階級を越えた婚姻は差別や打算が働いて、あまりしあわせになれるとは思えない。
「貴族の人と結婚するってこだわらない方が、きっといい人が見つかるわ。ね? 二人とも」
「え……?」
 不意にフィーナからつぶやきがもれる。顔を見れば、意外そうな様子。
 それに目ざとく気付いたマチルダが、にやっと笑ってフィーナの顔をのぞきこんだ。
「あーもしかして誰かいい人がいるの?」
 するとフィーナはぼっと顔を赤らめた。
「い、いい人なんていません……」
「じゃあ片思い?」
 フィーナは更に真っ赤になって黙りこくってしまう。
「そういえば……フィーナって誰かと見つめ合ってることが多いわよね」
 カレンが思い出すように宙を見上げながらつぶやくと、マチルダがわくわくしながら尋ねる。
「え? 誰? 誰?」
「だ、誰とも見つめ合ってなんかいません! カレンさん、何を言い出すんですか!」
「その慌て振り、あやしー」
「フィーナは好きな人ができたのね」
「シュエラ様、違います! 信じないでください!」
 何でそんなに否定するのかしら?
 不思議に思ったところでふと気付く。
 そういえばこういうとき一番はしゃぐカチュアが黙っている。
 目を向ければ、カチュアはどこか寂しそうな、うらやましそうな顔をしていた。
 そうだったわ。カチュアは……。
 思い出す。何て無神経な話を聞いてしまったんだろう。
カチュアは多分失恋し、今もその傷を抱えている。
フィーナが必死に自分の恋を否定するのは、カチュアに遠慮してのことだろう。
シュエラの視線に気付いたカチュアは、あきれたような笑みを浮かべ小さく息をつくと、腰に両手を当てて胸を反らした。
「何よ、フィーナ。友達のあたしたちに恋の打ち明け話もしてくれないの?」
「カ、カチュア……」
 フィーナは困り果てたように目じりを下げる。
 カチュアはふと、人差し指を立ててあごに当てた。
「それでいくと、一番おもしろそうな話をしてくれそうなのはシュエラ様よね」
「えっ?」
 急に話を振られてシュエラはうろたえる。
 カチュアはにんまり笑う。
「マントノン夫人もいないことだし、この機会にいろいろ教えてくださいよ」
 カチュアの話に乗って、マチルダも言い出す。
「そうですわ! ぜひお聞かせください! 後学のために」
「そういえばあの日の朝、国王陛下と二人きりになられて、どのような話をなさったんですか?」
 カレンにも話を期待されて、シュエラは困り果ててしまう。
 するとフィーナが、遠慮がちに口を開いた。
「わ、わたくしもお聞きしたいです。……シュエラ様がよろしいのでしたらですけど」
 こうしてシュエラは断り切れず、この国の大地を見下ろして語り合ったあの日のことを、洗いざらい白状することになったのだった。

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